兵庫医科大学医学部総合診療内科学

教授挨拶
平成26年12月1日に当科の主任教授を拝命し、8年がすでに経ちました。
私が着任した当時は、常勤医師1名と私を合わせて2人でスタートを切るという厳しい状態でした。そんな状況ではありましたが、当初からの兵庫医科大学総合診療内科の大目標として、「臨床、教育、研究をバランスよく行い、リサーチマインドを持った総合診療医を育成していくこと」を心に決めていました。
この3年間を振り返って、診療において、大学病院における総合診療内科としての役割は、最低限は果たせてきたと考えています。高度に専門化され、重装備された特定機能病院は、地域医療における最後の砦としての役割を担う必要があります。そこで大学の総合診療内科が、地域において診断難渋例や、希少疾患疑い例などを適切に診断していくことは、苦労もありますが大変重要な任務であると考え、これまでずっと取り組んできました。しかしながら、当科は人員不足により、一時期を除き、入院診療は行えずにおります。そのため、地域の先生方のすべてのニーズにお応えできるだけの体制が盤石ではない点は、現在の課題でもあります。体制が整えば、入院診療の再開も私の念頭にあり、そのために当科は現在も広くスタッフの募集を行っています。
一方、大学の総合診療内科では common disease を見る機会が乏しいとして、若い医師が研修の場所として大学をあまり選択しないという残念な事実にも直面しました。追い打ちをかけるように COVID-19 の大流行により、これまで我々が担っていた感染症関連の診療は、大学病院としては発熱外来として総合診療内科から切り離した形態で行わざるをえず、この3年間は当科としても非常に困難な期間となりました。2023年5月に COVID-19 が第5類感染症に変更されることもあり、地域のニーズに合わせた新しい診療体制を検討したいと考えています。
現在当科は、私を含めて、4人の常勤医と6名の非常勤医師により、幅広い診療・教育・研究を行っています。当科に興味を持っていただいた先生方、是非当科で、兵庫県、関西圏、そして日本の医療への貢献と研究への挑戦を目指しませんか?遠慮なく当科までご連絡ください。
2023年4月1日 総合診療内科 新村 健
新村 健 主任教授
【略歴】
1986年3月 慶應義塾大学医学部卒業
1986年5月 慶應義塾大学病院研修医・内科学
1988年5月 浦和市立病院内科医師(現さいたま市立病院)
1990年5月 慶應義塾大学医学部助手・老年科学
1996年7月 大阪大学大学院医学部老年医学教室訪問研究員
1998年7月 米国Louisville大学内科・心臓研究部門博士研究員
2001年1月 慶應義塾大学医学部助手・老年科学
2007年4月 慶應義塾大学医学部専任講師・内科学(老年内科学)
2014年4月 慶應義塾大学医学部専任講師・内科学(循環器内科学)
2014年12月 兵庫医科大学内科学総合診療科・主任教授
慶應義塾大学医学部内科学(循環器内科学)・非常勤講師
【所属学会(役職)】
日本内科学会・評議員
日本老年医学会・理事
日本抗加齢医学会・理事
日本抗加齢協会・理事
日本臨床栄養学会・理事
日本病院総合診療医学会・評議員
日本プライマリケア連合学会・代議員
日本未病システム学会・評議員
日本脳血管・認知症学会・理事
国際心臓研究学会・日本部会・評議員
脳心血管抗加齢研究会世話人
慶應義塾大学医学部循環器内科非常勤講師
関西学院大学理工学部客員教授
博慈会老人病研究所客員
研究員慶應義塾大学「食と医科学フォーラム」委員
慶應ヘルスサイエンスニューズレター編集委員